2015年に起こった<シャルリ現象>をうまく読み解けずにいたところ、本書を見つけて購入。
フランスやヨーロッパについて新しい見方を教えてもらった。刺激的。消化不良。
著者トッドは、反EUの立場。反オランド、反メルケル。EUは新自由主義を推し進め、貧富の差を拡大させたのか?
平和や友愛のイメージで捉えていたが、単純にTPPのヨーロッパ版ということ?
としたら、今回のイギリスの脱EUはどういうことになるのか。
ヨーロッパに対する疑問が膨らんでしまった。
カトリック、プロテスタント、そして世俗主義。フランスは地理的に、これらの要素が地層のように重なり合い、重なり具合によって地域性が生まれているらしい。さらに、人々の移動によってその地域性が解消されるかというとそうでもなく、移動先の土地の価値観に人々は染まっていくらしい。
このようにして形成されたあるパターンが、「シャルリ」の正体ということになる。
ドイツが移民を多く受け入れ、フランスが僅かであるということに対する説明も目から鱗だった。少子化の激しいドイツは、労働力として移民を受け入れていく必要があるが、フランスは割に出生率が良好なので、労働力としての移民を必要としていないということらしい。