フランスで、小規模書店をを保護するために、書籍の配送料無料ネット販売を禁止する法案が議会で可決されたそうだ。本に対する愛着、小規模書店に対する愛着があるのだろう。そういえば、「読書」について議論しているシャルチエもフランス人だった。
フランスの書店数は人口比で「世界一」らしく、2013年にはフィリペティ文化・通信相が「フランスの書店網は言論・出版の多様性を保障するもの」という考えから、900万ユーロ(約12億5千万円)を投じて小規模書店の保護・振興策を打ち出したらしい。
書店網があれば、なぜ言論・出版の多様性が保証されるのかはよくわからない。ネット販売の方が、レアな本にもアクセスしやすいのでは?と思うのだが・・・
「フランスの印刷された書籍販売のうち、ネットによるものは17%。そのうち70%はアマゾンが占める。同社は配送無料と、法律で認められている上限の5%の値引きを併せて行うことで一気にシェアを拡大した」という。ただ、アマゾンも書籍販売で利益を上げているわけではなく、書籍の独占販売を目的とした「不当廉売」であるということらしい。
書籍のネット販売、そして送料無料は、私にとってはとてもありがたいものだ。生活必需サービスとも言えるかもしれない。楽天、アマゾンなど、日常的に利用している。
しかし、近所から小規模書店が消えていったのは、とてもさみしいと思う。ちょっと雑誌が欲しい、軽く読める文庫本が何かあるかな?などと思って、電車を降りて家に帰るまでに気軽に立ち寄れた書店。そんな町の書店がなくなって、ある意味文化的生活の質は確かに落ちたような気がするし、また、ある意味不便になったのも事実だ。
なかなか難しい問題で、私にはどっちがいいのかよくわからない。
ただ、アメリカの大企業の世界戦略のえげつなさを思うとき、そして、TPPへの流れにあることを考えれば、アメリカの大企業にはっきり「No!」と言うフランスは、やっぱりすごいと思う。文化はかく守るべし。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2800O_Y4A620C1000000/?dg=1