日本人のおかしな日本語~池上彰

池上彰の文章を教材に、作文教室で「いじめ自殺の報道」について考えてもらった。いざ、作文を書いてもらっているとき、池上彰の文章に、「あれ?」と思う個所を発見。

<いじめ自殺の原因を追究するのは当然です。学校が、教育委員会が、社会が、いじめをやめさせ、自殺に追い込まれないようにする対策が必要です。>

問題は、二つ目の文。主語、述語が対応しているか? ということ。つまり、自殺に追い込まれるのは誰なのか?

文法的に素直にこの文章を読むと、「学校・教育委員会・社会」が自殺に追い込まれてしまうことになる。

あるいは、日本語特有の“主語の省略”という技を用いていると理解し、「(子どもたちが)自殺に追い込まれないように・・・」と読むべきなのか? 確かに、文脈的に素直に読むと、そう読む以外ない。分かり切った主語は省略してよい?

さて、どう解釈しましょうか?

(池上彰『メディア・リテラシー入門』オクムラ書店、2008年)

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