名古屋市に隣接する愛知県長久手市。市長・吉田一平(68)がリード。名古屋に労働力を供給するベッドタウン。人口5万人。
現代人にとって「快適」とは、他人との関わりがないことを意味する。「要するに、住民につながりがないとも読める」。だから、「わずらわしさ」を地域に持ち込み、住民を議論の渦に巻き込む。
「遠回りした方がいい。ケンカしながら、時間をかけて落とし所を見つけていく」。そして振り返れば、そこに地域再生の物語が生まれているという。
吉田は、4年前に市長になる。「たつせがある課」を立ち上げ、「地域共生ステーション」を設置。6つの小学校区に住民の活動拠点を作り、住民がそこで話合い、予算をつけていく、というやり方。公募では、有能な若者はなかなか集まらないので、市役所の若手職人が知人ルートで引っぱってきて、50人近いメンバーが午後7時に集まり、「まちづくり」について夜更けまで議論する。
「時間に追われる国」「時間に追われない国」という理論。
「何もしない幼稚園」:イベントなし、読み書き、音楽は教えない。道具もなし。縦割りクラスで、一日中、屋外で遊びまわる。校舎は木造で冷暖房なし。寒ければ子どもたちが雑木林で薪を拾い、火を焚く。
幼稚園の隣に古民家。近所の高齢者が集まり、子どもたちと触れ合い、監視役を果たす。集まる高齢者が少なくなると、社会福祉法人「愛知たいようの杜」を設立。(1986年、特別養護老人ホーム・ショートステイ施設)
その施設の敷地内に「もりのようちえん」を併設。老人ホームと幼稚園は行き来が自由。雨が降ると子どもたちは施設に入ってすごす。施設内の古民家には露天風呂・ビールサーバーが備えてあり、母親のボランティア、休日には父親が掃除をしてから飲み会をする。これを、「ゴジカラ村」と名付け、さらに看護福祉の専門学校も設置。老人ホームの食堂を居酒屋として、老人や学生が共に盛り上がる。
一つの施設は小規模なものにする。(職員10人以下?)
別の場所には、「ぼちぼち長屋」(2002年)。1階に要介護の老人、2階にOL4人と子どもがいる家族。OLの家賃6万円のうち半額は「老人と接する」という条件で返納。
吉田の目標:「役割と居場所があるまち」「助けが必要な人は全力で守る」「ふるさとの風景を子供たちに」(マニュアルには表現できない)
★交野とそれほど変わらない条件の市。交野ではできないのかな?