ORTを受け付けない子ども

多読のレッスンで私がメインに使っているものの一つが、ORTシリーズ。
グレード展開も充実しているし、単純なストーリーのなかにもユーモアがあって、大人でもクスリと笑える。たいていの子どもは、絵のあちらこちらに仕掛けてある〝ちょっと笑える部分”まで楽しんでくれる。

それが、小学2年生の女の子、そのシリーズにまったく関心を示さない。「1+」の Present for Dad で、とうとう「難しいから読みたくない」と言い出してしまった。

この子、1年生になったときからうちに来るようになった。それまでは、マブチ系の英語教室に通って、DVDなどを活用しながら楽しく英語を勉強していたようなのだ。

うちでは、その子にはメインでCTPを使っている。音楽に合わせて繰り返しの多いこのシリーズは、それでなかなかむつかしいはずなのだが、たいして意味が分からなくともメロディに合わせて口ずさめるようになり、口ずさめるようになるとそれはそれで楽しいようだ。CDの声音がいろいろ変わったりすると、くすくすと笑ったりしている。

CTPがグレード2の前半まで進んだので、そろそろORTに移行しつつやっていこうとした矢先の、それは「事件」だった。

どうしてこれが難しい?
このユーモアはあなたの琴線に触れない?

それとも・・・

それとも、「文」で英語をとらえることに対する抵抗?

幼児・子ども英語教室に通い続けた子は、英語が変な入り方をしてしまっていて、のちに軌道修正するのが難しくなることがあるようなのだ。

発音よし、すらすら読める、簡単なあいさつや指示にもすぐに反応できる。そういった部分は、私からするとなかなかノウハウがあるなと評価できる。私のあまり得意でない分野だ。
しかし、それで止まってしまうのだ。長い文を読んでも、それが「意味」を持つものとして、つまり、コミュニケーションのツールとして認識されていないようなのだ。文法を文法としてきちんと学ぶ必要もないとは思うのだが、文法の概念がまったく育たないというのも大きな問題だ。

もしかすると、この子は、日本語の「文」もあまり好きでないかもしれない。まじめなので作業はこなすが、なんて表現したらよいのか、つまり、意味のある世界へ自分を投げ込むことができない? そうなると、弊害は今後限りなく大きく膨らんでいくのだが、社会、理科などの暗記ができない、算数が計算以外はできない、国語の読解ができない、はては漢字すらなかなか覚えられない・・・と。

この子、昔話シリーズもまるで受け付けなかった。
音楽がないとダメ?
けど、英語はどこかでちゃんと「文」理解へと進んでいかなくてはならない。英語は音楽ではないのだ。

思い切って文法から入る?
自己紹介とか、簡単な表現を導入しながら、英語はコミュニケーションのツールであるということを教え込んでいく? うまくできるかな?

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