Oちゃんの日本語

高校生が外国へ行ったときに、どのように現地語を習得するのか?

たかだ10か月、されど10か月。同じ高校生でも、習得する語学力は個人差はなはだしい。語学はやはりコミュニケーションの要でもあるし、異文化への扉でもある。

フランスへ行ったM子のフランス語習得プロセスを追うのは難しい。彼女はキク単と文法書を日本から持って行っている。8カ月近く、週1に近いペースでフランス語も習ってきた。現地では、高校で週2時間~4時間、フランス語をおそらくマンツーマンで教えてもらえることになった。まぁ、彼女のことは離れてもいるし、あまり心配はしていない。

で、いま、いっしょにいるフランス人Oちゃんがどうやって日本語を習得するのか、興味深く見守っている。

事前の話では、日本に来た時点で既に1年間、日本語を勉強したことになっている。なので、初級くらいは終了していると思っていたのだが、まるでそんなレベルではなくって驚いた。フランスではどんな勉強をしていたのか?

シャモニーの隣町で、おそらく現地企業に勤めている日本人女性に習っていたようなのだが、彼女が習得していたのは、五十音の発音だけ!

しかもアルファベット表記で習っていたようで、ひらがなも読めない。書けない。ほんと、どんな習い方をしていたのか謎だ。

それで、私はいろいろ考えて、小1の公文のドリルを買ってやった。ひらがな、カタカナ、漢字。漢字も部分の組み立てから複雑なものになっていくので、やはり基本の形や書き順、意味などは大切だ。

で、まぁ、2週間もあればそれらをこなしてくれるかな、と思っていたのだが、1か月経過した現在、ひらがなは終了したが、カタカナは道半ば、漢字は未だ手つかず。ひらがなの理解のスピードはアップしたが、それでもスラスラと読んだり書いたりはできない。「る」とか「れ」とか、10秒くらい考えて出てくる感じ。

学校では、友だちから仕入れた単語をこまめにノートに取っており、そんなところからもある程度語彙数は増えていっているようなのだ。日常生活でも、余裕のあるときは^^なるべく日本語を混ぜるようにしていて、少しずつOちゃんも理解できるようになってきているし、発話もするようになってきている。

西洋人は、日本語や中国語を習得するのに、文字はあきらめて会話だけという人がときどきいて、その会話のレベルはなかなか流暢だったりする。だから、ひらがな・カタカナがわからないからといって嘆くのは早いと思うし、アルファベットでスマホやパソコンに打ち込むとちゃんと変換してくれるから、文字コミュニケーションもそこそこできるだろう。

けど、私はやはり文字は大切だと思うし、それを早くマスターしないといけないという姿勢が見られないことに「?」と思ってしまうのだ。

「?」といえば、こないだ夕食の準備をしながら『みんなの日本語』を勉強するのを見てあげていたとき。「日時」を勉強するチャプターだったので、テキストの会話練習もしながら、ときどき「ついたち、ふつか、みっか・・・」「せんしゅう、こんしゅう、らいしゅう」というようなことを教え、それを書いて、「じゃぁ、いまから覚えて」と言って、そのすきに私は料理の支度をして、というようなことをやっていた。で、そろそろ覚えたなかな?とふとみると、携帯いじってたりする。

人が忙しい時間にちょっと無理して教えてるのに・・・とプチイラを感じたが、まぁ、そんなことを繰り返しながらも、なんとか覚えてはいっていたようだ。

私の考える習得方法が唯一の道、とは思ってないので、彼女のやり方も尊重しようと思っているが、日本語の部分はまったくのボランティアなので、無理やりに教える気もない。ときどきは教えてあげながら、けど、自分たちに無理のない範囲で(時間的にも精神的にも)。

彼女にほんとにやる気が見られれば、しかるべき時間を設定して、ということも考えていたが、そんな感じでもない。彼女的には、日本語を何が何でも習得してやる!という意志はあるのだが、プロセスが伴っていない、と私は見ている。「私にはできる!」という自信、しかも「間もなくできる!」というような焦りにも似た自信は垣間見られるのだが・・・

さてさて、「へぇ~、こんな習得の仕方もあるのか!」と思わせてくれるのか、はてさて「やっぱり私の思う王道以外には道はなし!」と確信させてくれるのか・・・楽しみではあります。

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